西島眼鏡店が大事にしていること。掛け具合調整をする「手」から、熱意が伝わりました!
西島眼鏡店で初めて作って下さったヒロシさんにメガネを、お渡しする時のことです。
奥の丸テーブルに座っていただいて、仕上げの掛け具合調整をします。
その時ヒロシさんが
「これ、いい眺めですね」
と、仰いました。
わたし「?・・・」
ヒロシさんの目線の高さからは、私が調整の為にメガネをヒーターで熱している手元が、丁度見えるのでした。
ヒロシさん、
「なんか一生懸命やってくれてるっていう感じが、伝わってくるんですよね」
そんなふうに言われたのは、初めてのことでした。
うれしかったですね。
おまけに、ヒロシさんがその手元の写真を何枚も撮ってくれました。
この作業のこと、ちょっと解説しますと、
メガネで樹脂(セルロイドやアセテート)で作られている部分を温風で熱して柔らかくし、顔、頭に合うよう、必要な形状に直していきます。
手がヒーターの熱風吹き出し口辺りにあるのは、指を温度センサーにしているからです。
熱で樹脂を柔らかくするとはいえ、なかなかに力が必要な時もあり、思わず
「むうっ!」
という、気合いにも似た声が、口からもれることもあります。
そして顔にスポッとはまりこんでいく掛け心地が出来ていきます。
(念のため・・・掛け心地作りは、その前段の、骨格に合ったフレーム選びから始まります)
ゆっくりやっているわけではないのですが、
そこに至る迄に30分くらいかかるのは日常のこと。お客さまからよく、
「こんなに丁寧に合わせてもらったのは、初めてだ!」
という感想をよく頂きます。
余談ですが、これを毎日のようにしているせいか
私の手、厚ぼったいそうです!
ところで、メガネを日常生活の自然な一部とする為に大切な
「掛け具合調整の手技」
メガネ業界を広く見回すと
その存在が、薄れている、危ぶまれている気がしてなりません。
西島眼鏡店は、これからも、この手技を大切にしていきます!
それに気づかせて下さったヒロシさんにも感謝です!
そんな手を経て、生活の中に自然に溶け込むメガネを作りたい方、下の地図を見て、いらして下さい!
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三代目 タツシ